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JAXAが開発した、高性能マイクロ波放射計(AMSR)と、その姉妹センサである、改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E)のセンサの仕様や概要について解説します。

水惑星地球の探査

雪氷圏

温室効果ガスの増加で起きていると懸念される温暖化の影響は、極域付近の雪氷圏変動に最も強く現れていると予想されているため、海氷分布や氷床分布の継続した観測は大変重要と考えられます。南極周囲の海氷域は季節により大きく変動しますが、夏でも約350万平方キロ、冬には約2000万平方キロという膨大なエリアが海氷に覆われています。
また、北極海はその大部分が海氷で覆われ、海氷の消失は熱収支、海洋循環などに支配的な役割を果たしています。AMSRは、このような大規模な海氷分布の変動を継続的にとらえることができます。その厳しい環境のため、極域の継続的・広域的な観測手法はほぼ衛星観測に限られます。特に、太陽光に依存しないマイクロ波観測は、極夜が長く、雲に覆われることの多い極域において非常に重要な観測手法です。北極海やオホーツク海等においては、船舶の航路予測への応用も考えられます。このような実利用面においては、AMSRの高い空間分解能が有効となります。

(画像:南極大陸周辺の海氷分布)