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このような特徴を生かし、全球スケールの定量観測が初めて試みられます。土壌水分量の多寡は地表面からの蒸発効率を変化させ、大気への熱・水輸送をコントロールする働きを持っています。積雪は融解により土壌水分の供給源となり、夏場の地表面収支に関係するとともに、アルベド効果により太陽放射の収支にも関与しています。ユーラシア大陸やチベット高原等に広がる永久凍土層の季節的な融解も土壌水分の補給源になるとともに、土壌水分を蓄えることのできる土壌層の厚みの季節的な変化をもたらします。凍結前の夏〜秋の情報が翌年春〜夏の融解期まで保存されるため、凍土は前年の気象条件を記憶する機能を持ち、積雪と同様に、あるいはそれ以上に大気循環に大きく影響していると考えられています。(画像:積雪の深さ)