データを使う  › 校正/検証
AMSRやAMSR-Eのデータを利用するために、プロダクトやアルゴリズムの概要と、データ取得方法や利用可能なツールについて紹介します。

校正/検証

近年、衛星観測データの定量化に対する要求がますます高まっています。AMSR/AMSR-Eは気候変動の研究と監視に貢献することが期待されているため、特に長期的に安定なデータの供給が求められます。AMSR/AMSR-Eプロジェクトでは、輝度温度並びに各地球物理量プロダクトについて校正・検証を実施します。

  1. 校正
  2. AMR
    校正は打ち上げ前の性能確認試験及び校正試験に始まり、最終的に軌道上で目的の性能を発揮していることを確認するものです。軌道上では、AMSR/AMSR-Eが取得する校正データや各種補助データを用いた解析、航空機搭載用マイクロ波放射計(AMR)の同期観測による複合校正、およびSSM/I等の類似センサとの相互比較などを行います。長期的なデータの品質を確認するために、センサ特性の経時変化のモニタリングを継続します。

    SSM/I-AVHRRの図
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    また、同時期に運用されている他衛星のセンサとの相互比較も有効です。 SSM/I、TMIなど同種センサとの比較により輝度温度の検証を行うとともに、Aqua搭載Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer (MODIS)やADEOS-II搭載Global Imager (GLI)等の光学センサとの比較により、より細かい空間分解能による積雪分布や海氷分布の情報を得ることができます。
    図は、冬のオホーツク海におけるSSM/Iの37GHz画像とAdvanced Very High Resolution Radiometer (AVHRR)の2バンド合成画像の比較例であり、AVHRRでより細かい海氷分布が見える一方、雲の部分ではマイクロ波が有効なことが分かります。このように、 異なる特性をもつセンサのデータを比較することにより、相互に情報の補完ができ、それぞれのセンサの信頼性も高める結果となります。

  3. 検証
  4. 検証は地球物理量プロダクトの精度評価を目的とするもので、主に地上観測や航空機観測によって得られる実測値とAMSR/AMSR-E推定値の比較により行います。世界各地で定常的に取得される各種実測データの収集を行いAMSR/AMSR-Eデータとの比較検証を行うとともに、WCRP/GEWEX等の世界的な研究プロジェクトや関係機関、及び米国AMSR/AMSR-Eサイエンスチームとの連携によりフィールドキャンペーンを実施します。特にGEWEXのCoordinated Enhanced Observing Period (CEOP)とは緊密な関係をもってプロジェクトを進めます。

    検証観測
    定常観測