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Aqua(アクア)に搭載している改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E)に5月15日以降、異常事象が発生していました。
復旧処置として5月29日に観測モード移行コマンド送信し、30日午前2時39分 (日本時間)以降、テレメトリ及び観測データの伝送が復帰しました。また、観測 データの内容も0でないことを確認しました。 当初、数時間に一度の頻度でテレメトリ及び観測データの乱れ(一日あたりの 受信データの約5%)が発生していましたが、その後0.1〜0.2%程度に減少してお り、現在ではほとんど乱れのない全球の観測データを取得しています。 Aqua衛星及びAMSR-E以外のセンサは機能確認中であり、正常に運用を継続しています。
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2002/6/12
AMSR-E 初画像観測モードに移行した改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E)の観測データから、2種類の初画像を作成しました。
カラー合成画像観測日は2002年6月2日〜4日(世界時)で、降交パスのみを3日平均した。89.0GHz(垂直・水平偏波)、及び23.8GHz(垂直偏波)の輝度温度情報をカラー合成しており、欠測域は黒色で示されている。両極点の周囲は観測できないため欠測域となっている。上段は全球分布であり、海域における黄白色の部分は強い降水領域に、水色から紺色への色調変化は大気中の水蒸気や雲の増加にそれぞれ対応する。陸域の積雪や低温で乾燥した地面、両極域の海氷なども黄白色で示されている。下段左は南極大陸周辺を異なる地図投影で示しており、海氷部分が黄白色に、大陸上の氷床はより明るい白色で示されている。下段右は日本付近の拡大図であり、日本列島の南側に位置する梅雨前線に伴う降水領域が捉えられている。5月10日の沖縄地方の梅雨入り後、梅雨前線は一旦南下したが、この時期には再び沖縄付近に位置していた。
-- 拡大画像 (JPEG) --
雲透過型観測による海面水温画像2002年6月2日〜4日(世界時)の3日平均海面水温。6GHz垂直偏波を利用して、海面水温を推定した。大気補正と風の補正は他のチャネルを利用している。マイクロ波観測の最大の特長は、雲がある場合でもその下の海面水温を算出可能なことにある。また、6GHz帯を使うことによって、TRMM/TMIの10GHz帯では困難だった低水温域の推定も可能となった。図中の灰色は陸域、白色は海氷や強い雨などによる欠測域を示している。海岸線を縁取るように海面水温が上昇しているのは陸域のマイクロ波放射が海面水温推定に影響しているためであり、今後のデータ検証によって改善される。上段は全球画像で、短い期間の観測でほぼ全球をカバーしている。下段は日本付近の拡大画像で、日本の東海上に伸びる黒潮域が帯状のオレンジ色の領域としてはっきりと観測されている。
-- 拡大画像 (JPEG) --
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なお、3Dによる初画像はこちらです。
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