データを使う  › プロダクト/アルゴリズム
AMSRやAMSR-Eのデータを利用するために、プロダクトやアルゴリズムの概要と、データ取得方法や利用可能なツールについて紹介します。

プロダクト/アルゴリズム

1. プロダクト

利用可能なプロダクト
Level1B(輝度温度変換済みデータ)
Level1R(解像度補正済み輝度温度データ)
Level2(Level1から算出した地球物理量データ)
Level3(Level1及びLevel2データを時空間的に平均化し地図投影したデータ)
AMSR-E低速回転データ (輝度温度)
※現在 Level1BMap(輝度温度変換済み地図投影データ)とLevel2 Map(Level2プロダクトを地図投影したデータ)は提供していません。

プロダクトレベル定義
レベル1A 観測装置により取得される工学値が格納されます。AMSR/AMSR-Eの場合は、受信機からの出力電圧をA/D変換した結果のカウント値がこれに相当します。同時に、衛星の姿勢や観測装置の状態など、後段の処理を行うために必要なデータも含まれます。地図投影は行わず、観測されたままの形式で格納されます。 (非公開)
レベル1B 観測装置により取得される基本的な観測量が格納されます。AMSR/AMSR-Eの場合は輝度温度がこれに相当します。データの位置情報や品質に関する情報が付加されます。地図投影は行わず、観測されたままの形式で格納されます。
レベル1R
(Ver.4より新規追加)
レベル1Bのデータに対して、周波数毎の解像度を合わせたデータが格納されます。
レベル2 物理量推定アルゴリズムを介して算出された地球物理量が格納されます。データの位置情報や品質に関する情報が付加されます。地図投影は行わず、観測されたままの形式で格納されます。
レベル3 地球物理量の時間・空間的な平均値を、全球規模で地図投影したものです。AMSR/AMSR-Eでは輝度温度およびそれぞれの物理量について、日および月平均の全球分布を作成します(海氷など存在地域が限られるものについては、極域付近を切り出します)。

このほか、特定機関に対して専用線経由で即時提供を行う準リアルタイムプロダクトがあり、気象予報や漁業などの分野で活用されています。
レベル2及びレベル3の地球物理量には、標準プロダクトと研究プロダクトの2種類のプロダクトがあります。研究プロダクトについては、プロダクトの検証とアルゴリズム改良を進め、一般配布可能と判断した時点で標準プロダクトへ移行する予定です。

標準プロダクト
プロダクトレベル プロダクト名 領域 利用上の
注意事項
備考
Level 1B, 1R 輝度温度 全球 Link
Level 2, 3 積算水蒸気量
(可降水量)
全球海洋上1) Link 鉛直方向に蓄積されたカラム水蒸気量
Level 2, 3 積算雲水量 全球海洋上1) Link 鉛直方向に蓄積されたカラム雲水量
Level 2, 3 降水量 全球海洋上2) Link 地表面降水強度に換算
Level 2, 3 海上風速 全球海洋上1) Link
Level 2, 3 海面水温 全球海洋上1) Link 雲域下でも推定が可能
Level 2, 3 海氷密接度 両極域およびオホーツク海等 Link
Level 2, 3 積雪深 森林地域を除く陸域 Link
Level 2, 3 土壌水分量 氷床域、高密度森林域を除く陸域 Link
1) 海氷域・降水域を除く 2) 海氷域を除く
研究プロダクト(AMSR-E低速回転データ)
2012年12月4日から2015年12月4日まで低速回転(毎分2回転)により観測されたデータを公開していいます。詳細は、こちらをご覧ください

2. 地球物理量推定アルゴリズム

AMSR/AMSR-Eの物理量推定アルゴリズムは、AMSRセンサチームにおけるアルゴリズム比較評価プロセスを経て選定された主任研究者により開発されました。 アルゴリズム詳細については、アルゴリズム記述書 (PDF: 1.5MB)をご覧ください。
AMSR/AMSR-Eのアルゴリズム
物理量 標準アルゴリズム
標準プロダクト 積算水蒸気量 竹内義明
積算雲水量 F. Wentz
降水量 G. Liu
海上風速 柴田彰
海面水温 柴田彰
海氷密接度 J. Comiso
積雪深 A. Chang and R. Kelly
土壌水分量 小池俊雄