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AMSRやAMSR-Eのデータを利用するために、プロダクトやアルゴリズムの概要と、データ取得方法や利用可能なツールについて紹介します。

標準プロダクト利用上の注意事項

AMSRレベル2降水量標準プロダクト利用上の注意事項

アルゴリズム開発PI:フロリダ州立大学 Dr. Guosheng Liu

JAXA/EOCで生成処理されるAMSRレベル2降水量標準プロダクトを利用する際の注意事項について述べたものです。
算出領域
本アルゴリズムは雨滴による放射・散乱応答を組み合わせた推定手法を用いており、沿岸域(海岸線から25km程度)、海氷、積雪域、及び砂漠を除いた、海域・陸域両方の降水量を推定します。海域と陸域では別のアルゴリズムが適用され、一般的に海域での推定精度は陸域より良好です。海氷域の判定は、AMSR処理システムソフトウエアから提供されるAMSR海氷密接度を用いて行います。陸上積雪域及び砂漠域の検出は、輝度温度情報に基づきアルゴリズム内で実施されます。

算出範囲と誤差
  1. レーダアメダス及びTRMM/PRとのマッチアップデータを用いた初期的な比較により、本アルゴリズムは、主に冬季の降水量を10%程度過大評価する傾向が認められています。この点について現在検討中であり、定量的な理解ができた時点で修正する予定です。
  2. 陸域の暖かい雨と降雪については、AMSRの周波数チャネルがこれらの降水タイプに対して感度を持たないことから、正しく検出されない可能性があります。
  3. 凍結あるいは融解した地表面の影響により、高緯度域の陸上では降水量の誤推定が多く含まれます。このような状態の地表面では89GHzの輝度温度低下が生じ、アルゴリズムにより降水域と誤判定されることに起因します。

算出に使用する補助データについて
補助データとして、処理システムソフトウエアから提供される海陸フラグ、地表面気温(気象庁全球解析値GANALから抽出されたもの、凍結高度の決定に使用)を用いています。