1.はじめに
JAXA/EORCではAMSR2等のマイクロ波放射計 が観測した海面水温(SST)データを用いて、エルニーニョの監視を行っています。 マイクロ波放射計は地表や大気から自然に放射される微弱な電波を複数の周波数帯で観測することで 、主に水に関する様々な地球物理量を推定します。 マイクロ波センサは昼夜の別なく、雲に影響されずに観測を行うことができるため、SSTを継続的に観測することが可能です。
画像の利用については、研究データの利用条件をご参照ください。
[2014/7/23]
GCOM-W/AMSR2による観測データの利用を開始しました。
2011年10月4日にAMSR-Eが観測を停止してから、WindSatを代替利用してエルニーニョを監視してきましたが、この度、2012年7月24日以降のデータをAMSR2の観測データに差し替えました。AMSR2データを利用することで、より精度が高い海面水温の観測が可能になります。
[2011/9/1]
2004年12月以降、本ページの運用を続けてきましたが、2011年9月1日、気象庁のエルニーニョ監視速報の拡充に伴い、エルニーニョwatchバージョン2をリリースしました。 これまでのエルニーニョwatchページはバージョン1として、この先も更新を続けていきます。

2.バージョン1と2の違いについて
バージョン1と2の違いを以下の表にまとめました。

バージョン 1バージョン 2
監視海域1箇所
① エルニーニョ監視海域(NINO.3)
緯度:4S~4N、経度:150W~90W
3箇所
① エルニーニョ監視海域(NINO.3)
緯度:5S~5N、経度:150W~90W
② 西太平洋熱帯域(NINO.WEST)
緯度:0~15N、経度:130E~150E
③ インド洋熱帯域(IOBW)
緯度:20S~20N、経度:40E~100E
使用データ 2002/06/19 - 2011/10/04 : AMSR-E
2011/10/05 - 2012/07/23 : WindSat
2012/07/24 - 現在 : AMSR-2
同左
海面水温の
算出方法
5日平均 夜間(WindSatの場合は早朝)パスの5日平均
(日中観測のSSTには日射による若干の正バイアスがあるため)
平年値1971~2000年の30年平均値
[気象庁提供]
直近30年平均値
[気象庁が公開している月平均SSTを元に計算]


3.本ページの見方(バージョン2を例として)

[海面水温画像]


海面水温画像は5日平均の海面水温分布を表しており、水温が高いほど赤く、低いほど青く表示されています。 灰色の部分は陸域もしくは降水により水温の推定ができなかった領域です。 画像右上に掲載してある日付は、観測期間を表しています。 この画像例では2014年7月1日から7月5日までの平均になります。 画像中に描かれている矩形線は監視海域を表しており、以下で説明する時系列グラフは、この監視海域における海面水温をモニタしています。

[海面水温偏差画像]


海面水温偏差とは平年値からの差で以下の式により計算しています。
海面水温偏差=海面水温-平年値(気候値)

この偏差画像では-3℃~+3℃を青~赤に色づけしており、平年より海面水温が高いほどより赤く、低いほどより青く表示されます。 この画像例では、エルニーニョ監視海域(NINO.3)において海面水温が平年より高くなっていることが分ります。


[海面水温偏差時系列]


海面水温偏差時系列グラフは、海面水温偏差画像から算出した各監視海域における海面水温偏差の平均の時系列を表しています。 海面水温偏差が正(海面水温が平年より高い)の場合は赤色、負(海面水温が平年より低い)の場合は青色で表示されます。 グラフ中の背景がピンクまたは水色の期間はそれぞれ気象庁発表のエルニーニョ現象、ラニーニャ現象発生期間を表しています。 気象庁ではNINO.3監視海域の海面水温と基準値との差の5ヶ月移動平均値が半年以上連続して、 0.5℃以上高くなることをエルニーニョ現象、0.5℃以上低くなることをラニーニャ現象と定義しています。

[海面水温時系列]


海面水温時系列グラフは、海面水温画像から算出したエルニーニョ監視海域における海面水温の平均の時系列を表しています。

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