JAXA/EORC台風データベース Version 1.0 2005年6月 |
宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター |
JAXA/EORC台風データベース Version 1.1 2011年3月 |
宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター |
JAXA/EORC台風データベース Version 1.2 2013年12月 |
宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター |
JAXA/EORC台風データベース Version 1.3 2015年12月 |
宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター |
JAXA/EORC台風データベース Version 1.4 2018年9月 |
宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター |
JAXA/EORC台風データベース Version 1.5 2020年5月 |
宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター |
JAXA/EORC台風データベース Version 1.6 2020年8月 |
宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター |
1. 台風データベースの概要
1-1. はじめに
本サイトは、世界中で発生した台風(台風、ハリケーン、サイクロン等の熱帯低気圧全般)に関する情報が地域(7区分)ごとに整理されたデータベースです。
本データベースを参照することにより、各地域で発生した台風の期間や経路、および通過地点ごとでの最大風速などが一目で分かります。
さらに、TRMM/PR、TMI、VIRS、GPM/KuPR、GMI、GCOM-W/AMSR2、Aqua/AMSR-E、Midori-II /AMSRなどの地球観測衛星からの観測によって得られた各種プロダクトから、
台風が観測されている部分を検索し、切り出すことにより、台風の発生している領域での降水量や水蒸気量などといった物理量も収録しています。
本データベースのデータファイルのフォーマットはHDF形式で、構造はオリジナルのプロダクトと同じですが、AMSR2データでは一部異なります(3-3-3項参照)。
1-2. 収録データの概要
- 対象期間
TRMM/PR, TMI, VIRS: | 1997年12月 7日〜2015年4月8日 |
※ただし、2001年8月7日〜8月24日までは、衛星高度上昇のため、データが取得されていません。
|
GPM/DPR, GMI: | 2014年 3月 8日〜 |
GCOM-W/AMSR2: | 2012年 7月 4日〜 |
Aqua/AMSR-E: | 2002年 6月〜2011年10月 4日 |
Midori-II /AMSR: | 2003年 4月〜2003年10月 |
- 対象エリア
TRMM/PR, TMI, VIRS: | 北緯36度〜南緯36度 |
GPM/DPR, GMI: | 北緯65度〜南緯65度 |
GCOM-W/AMSR2: | 全球 |
Aqua/AMSR-E: | 全球 |
Midori-II/AMSR: | 全球 |
- 収録プロダクト
TRMM
PR: | 2A23, 2A25 |
TMI: | 1B11, 2A12 |
VIRS: | 1B01 |
プロダクト バージョン |
1997/12/07 〜 2001/08/06 |
2001/08/07 〜 2001/08/24 |
2001/08/25 〜 2004/03/31 |
2004/04/01 〜 2011/06/30 |
2011/07/01 〜 2015/04/08 |
6 |
● |
軌道高度上昇のためデータ未取得 |
● |
● |
− |
7 |
● |
● |
● |
● |
GPM
DPR: | 2AKu, 2ADPR |
GMI: | 2AGMI |
Midori-II
AMSR: | Level 1B(輝度温度), Level 2 AP0(降水量), Level 2 WV0(水蒸気量) |
Aqua
AMSR-E: | Level 1B(輝度温度), Level 2 AP0(降水量), Level 2 WV0(水蒸気量) |
GCOM-W
AMSR2: | Level 1B(輝度温度), Level 2 PRC(降水量), Level 2 TPW(水蒸気量), Level 2 ASW(全天候海上風速) |
- ファイル形式
HDF形式(gzip圧縮)
2. データの編集方法
2-1. TRMM
本データベースで収録されているデータファイルは、PRで降雨が観測されている領域と、台風の位置情報とを関連づけ、台風の観測された領域を標準プロダクトから切り出したものです。
ここでは、標準プロダクトから台風が観測されている領域を検出し、データファイルを編集する手法について解説します。
- 経路データの入手
下記の台風情報サイトより、台風の位置情報データを取得し、予報データを除いた実況データ部分のみを抽出します。
2011年2月まで : ハワイ大学「Tropical Storms, Worldwide」
2018年8月まで : ユニシス社「Unisys Weather Hurricane/Tropical Data」
2018年9月から : ウィスコンシン大学「
CIMSS Tropical Cyclones Page」
- 降雨域の検出
2A25標準プロダクトに含まれる、全レンジビンの降雨強度の平均値について、各スキャンごとに求めたアングルビン方向の合計値を、スキャン方向に5スキャン移動平均した値が3mm/h以上となるスキャンが存在する場合に、降雨域として検出します(図中の降雨域Aおよび降雨域C)。なお、別の3mm/h以上の値が24スキャン以内に存在する場合は、合わせて一つの降雨域とします。(図中の降雨域B)
さらに、ある降雨域の位置から経緯度それぞれ±5度の範囲に他の降雨域が存在する場合、それらのすべての降雨域を含むような、最も広い矩形範囲(図中の黒枠)の経緯度を求めます。
このようにして求められた範囲は、降雨域が連続しない場所もある程度含まれている、いわば広域の降雨地域であり、熱帯低気圧そのもの雨域が不明瞭な場合や、雨域が断片的な場合にも対応するためのものです。
- 降雨域と台風位置との関連づけ
上記の矩形雨域が含まれる1軌道分の標準プロダクトの観測時刻に対して、前後6時間以内に存在する台風の位置を抽出します。
台風が矩形の雨域(図中の黒枠)またはこれから±5度に拡張した範囲(図中の赤枠)に含まれる場合に、TRMMにより台風が観測されたものして、本データベースの収録対象としています。
- HDFデータの編集
台風が観測された場合には、台風位置と上述の矩形雨域(図中の黒枠)を含み、その範囲からさらに経緯度それぞれ5度づつ拡張した範囲を、最終的なデータ範囲としています。
このようにして求められたデータ範囲を、1軌道分の標準プロダクトから切り出しをおこなうことにより、本データベースにおけるHDFデータが作成されています。
なお、上記の編集は台風ごとにおこなわれており、複数の台風が近い位置に存在する場合には、データ範囲が重複する場合でも別ファイルとなることがあります。
なお、作成されたHDFデータのうち、雲画像などから判断して明らかに台風の検出が不適当であるものについては、データベースの対象から除外や、データ範囲の変更をおこなったものがあります。
このようにして編集されたHDF形式のデータファイルは、gzip圧縮をおこない、データベースに収録しました。
2-2. GPM
GPMのL2プロダクトに含まれる降雨域をもとに、TRMMと同様の手法で台風とのマッチアップと切り出し編集をおこないました。
2-3. AMSR/AMSR-E/AMSR2
本データベースで収録されているデータファイルは、台風の位置情報を基にして、台風が観測された領域を標準プロダクトから切り出したものです。
ここでは、標準プロダクトから台風が観測されている領域を検出し、データファイルを編集する手法について解説します。
- 経路データの入手
TRMMと同様に、下記の台風情報サイトより、台風の位置情報データを取得し、予報データを除いた実況データ部分のみを抽出します。
2011年2月まで : ハワイ大学「Tropical Storms, Worldwide」)
2018年8月まで : ユニシス社「Unisys Weather Hurricane/Tropical Data」
2018年9月から : ウィスコンシン大学「
CIMSS Tropical Cyclones Page」
- 対象データの決定
AMSR、AMSR-EおよびASMR2が北緯25度を観測した時刻を基準時刻とし、台風経路データの時刻と位置から、基準時刻における台風の位置を推定します。
推定した台風位置の経度±15度の範囲にAMSR、AMSR-EおよびAMSR2のパスの中心経度が存在する場合、AMSR/AMSR-E/AMSR2データを切り出しの対象とします。
- HDFデータの編集
データが切り出しの対象とされた場合には、上記で推定した台風位置の緯度を中心として−97ラインから+98ライン計196ラインを切り出す範囲とします。
このようにして求められたデータ範囲を、標準プロダクトから切り出しをおこなうことにより、本データベースにおけるHDFデータが作成されています。ファイルフォーマットはAMSR/AMSR-E/AMSR2標準プロダクトに準じていますが、一部異なるデータが入力されています(表参照)。
なお、上記の編集は台風ごとにおこなわれており、複数の台風が近い位置に存在する場合には、データ範囲が重複する場合でも別ファイルとなることがあります。
また、作成されたHDFデータのうち、雲画像などから判断して明らかに台風の検出が不適当であるものについては、データベースの対象から除外や、データ範囲の変更をおこなったものがあります。
このようにして編集されたHDF形式のデータファイルは、gzip圧縮をおこない、データベースに収録しました。
表 標準プロダクトフォーマットとの相違点 (
AMSR2)
コアメタ
データ
表 標準プロダクトフォーマットとの相違点 (
AMSR/AMSR-E)
コアメタ
データ
3. データの扱い方
3-1. TRMM
3-1-1. ファイル名・ダウンロード方法
本データベースにおけるHDFデータのファイル名は、下記のように「プロダクト名」「観測日」「軌道番号」「プロダクトバージョン名」「熱帯低気圧番号」「台風名」「拡張子(HDF)」により構成されています。
2A25 |
. |
010910 |
. |
21804 |
. |
7 |
. |
19W |
. |
DANAS |
. |
HDF |
プロダクト名 |
|
観測日 |
|
軌道番号 |
|
プロダクト バージョン |
|
熱帯低気圧 番号 |
|
台風名 |
|
拡張子 |
- プロダクトバージョン
TRMMの標準プロダクトすべてに統一して付けられるバージョンで、降雨算定アルゴリズムの改訂とともに一括して変更されるものです。
本データベースで収録されているデータは、プロダクトバージョン「6」「7」のいずれかです。
- 軌道番号
TRMMの衛星軌道の南端から南端までを1周として、TRMMの運用開始から通算した周回数をあらわす番号で、「オービット番号」「シーン番号」と呼ばれることもあります。
軌道番号はHDFファイルのファイル名に付けられており、TRMMの標準プロダクトのファイル単位でもあります。
本データセットでは、標準プロダクトから台風の観測されている部分を切り出して、その部分のデータを1ファイルにしているため、軌道番号が同じでも台風ごとに別のファイルとなっている場合もあります。
HDFデータは、本データベースのホームページよりダウンロードすることができます。ダウンロードされたデータは、gzip圧縮されています。
3-1-2. TRMMプロダクトについて
各プロダクトに格納されている物理量やフォーマットに関する詳細な情報は、下記の文書を参照して下さい。
また、2001年8月の衛星高度変更にともなうプロダクトへの影響に関しては、下記の文書を参照してください。
プロダクトバージョン6のデータについては下記の文書を参照して下さい。
プロダクトバージョン7のデータについては下記の文書を参照して下さい。
3-1-3. 主要な物理量について
降雨レーダ(PR)プロダクト
物理量 |
格納プロダクト |
項目名 |
配列の要素 |
単位 |
降雨タイプ分類 |
2A23 |
rainType |
スキャン数×49 |
- |
ブライトバンド高度 |
2A23 |
HBB |
スキャン数×49 |
m |
降雨頂高度 |
2A23 |
stormH |
スキャン数×49 |
m |
レーダ反射因子 (降雨減衰補正済) |
2A25 |
correctZfactor |
スキャン数×49×80 |
dBZ |
降雨強度 |
2A25 |
rain |
スキャン数×49×80 |
mm/h |
地表付近の降雨強度 |
2A25 |
nearSurfRain |
スキャン数×49 |
mm/h |
TRMMマイクロ波観測装置(TMI)プロダクト
物理量 |
格納プロダクト |
項目名 |
配列の要素 |
単位 |
輝度温度 10,19,37GHz 水平/垂直 21GHz 垂直 |
1B11 |
lowResCh |
スキャン数×7×104 |
K |
輝度温度 85GHz 水平/垂直
|
1B11 |
highResCh |
スキャン数×2×208 |
K |
降雨量 |
2A12 |
surfaceRain |
スキャン数×208 |
mm/h |
雲水量 |
2A12 |
cldWater |
スキャン数×14×208 |
g/m3 |
雨水量 |
2A12 |
precipWater |
スキャン数×14×208 |
g/m3 |
可視赤外観測装置(VIRS)プロダクト
物理量 |
格納プロダクト |
項目名 |
配列の要素 |
単位 |
放射輝度 |
1B01 |
channels |
スキャン数×5×261 |
mW/cm2μm・sr |
3-2. GPM
3-2-1. ファイル名・ダウンロード方法
本データベースにおけるHDF5データのファイル名は、下記のように「プロダクト名」「観測日」「軌道番号」「プロダクトバージョン名」「熱帯低気圧番号」「台風名」「拡張子(h5)」により構成されています。
2ADPR |
. |
20150922 |
. |
008902 |
. |
03B |
. |
21W |
. |
DUJUAN |
. |
h5 |
プロダクト名 |
|
観測日 |
|
軌道番号 |
|
プロダクト バージョン |
|
熱帯低気圧 番号 |
|
台風名 |
|
拡張子 |
- プロダクトバージョン
GPMの標準プロダクトすべてに統一して付けられるバージョンで、降雨算定アルゴリズムの改訂とともに一括して変更されるものです。
- 軌道番号
GPM主衛星の衛星軌道の南端から南端までを1周として、GPM主衛星の運用開始から通算した周回数をあらわす番号で、「オービット番号」「シーン番号」と呼ばれることもあります。
軌道番号はHDFファイルのファイル名に付けられており、GPM主衛星の標準プロダクトのファイル単位でもあります。
本データセットでは、標準プロダクトから台風の観測されている部分を切り出して、その部分のデータを1ファイルにしているため、軌道番号が同じでも台風ごとに別のファイルとなっている場合もあります。
HDFデータは、本データベースのホームページよりダウンロードすることができます。ダウンロードされたデータは、gzip圧縮されています。なお提供しているGPMのHDFバージョンは5です。
3-2-2. GPMプロダクトについて
3-2-3. 主要な物理量について
二週波降雨レーダ(DPR)プロダクト
物理量 |
格納プロダクト |
項目名 |
配列の要素 |
単位 |
降雨タイプ分類 |
2AKu, 2ADPR |
CSF-typePrecip |
スキャン数×49 |
- |
ブライトバンド高度 |
2AKu,2ADPR |
CSF-heightBB |
スキャン数×49 |
m |
降雨頂高度 |
2AKu,2ADPR |
PRE-heightStormTop |
スキャン数×49 |
m |
レーダ反射因子 (降雨減衰補正済) |
2AKu,2ADPR |
SLV-zFactorCorrected |
スキャン数×49×176 |
dBZ |
降雨強度 |
2AKu,2ADPR |
SLV-precipRate |
スキャン数×49×176 |
mm/h |
地表付近の降雨強度 |
2AKu,2ADPR |
SLV-precipRateNearSurface |
スキャン数×49 |
mm/h |
3-3. AMSR/AMSR-E/AMSR2
3-3-1. ファイル名・ダウンロード方法
本データベースにおけるHDFデータのファイル名は、下記のように「衛星名」「センサ種別」「観測開始日」「パス番号」「A/D区別」「プロダクトコード」「熱帯低気圧番号」「拡張子(HDF)」により構成されています。
AMSR2のファイル名
GW1 |
AM2 |
_ |
20130915 |
208 |
A |
_ |
SNTPW |
_ |
01 |
_ |
16W |
. |
h5 |
衛星名 |
センサ種別 |
|
観測開始日 |
パス番号 |
A/D 区別 |
|
プロダクト コード |
|
プロダクト バージョン |
|
熱帯低気圧 番号 |
|
拡張子 |
AMSR/AMSR-Eのファイル名
P1 |
AME |
20040405 |
097 |
MD |
_ |
P2AP0 |
_ |
01 |
_ |
03W |
. |
HDF |
衛星名 |
センサ種別 |
観測開始日 |
パス番号 |
A/D 区別 |
|
プロダクト コード |
|
プロダクト バージョン |
|
熱帯低気圧 番号 |
|
拡張子 |
- 衛星名
GW1はGCOM-W、P1はEOS−PM1、A2はADEOS-2を表します。
- センサ種別
AM2はAMSR2、AMEはAMSR-E、AMSはAMSRを表します。
- 観測開始日
切り出したデータの基になった標準プロダクトの観測開始日をUTCで示しています。
- パス番号
AMSR/AMSR-E/ASMR2のパス番号を示しています。
- A/D区別
軌道方向を示します。A(Ascending)は南->北、D(Descending)は北->南向きに衛星が移動して観測したことを表します。
- 熱帯低気圧番号
英字は発生地域を、数字は地域ごとに各年(南半球では7月〜6月を1区切りとする)発生した順番を表します。
英字に対応する地域は以下のとおりです。
W | :太平洋北西部(日付変更線以西) |
C | :太平洋北中部(日付変更線〜西経140度) |
E | :太平洋北東部(西経140度以東) |
L | :大西洋北部 |
A , B | :インド洋北部 |
S , P | :インド洋南部および太平洋南部 |
HDFデータは、本データベースのホームページよりダウンロードすることができます。ダウンロードされたデータは、gzip圧縮されています。
3-3-2. AMSR/AMSR-E/AMSR2プロダクトについて
3-3-3. 主要な物理量について
AMSR/AMSR-Eプロダクト
物理量 |
格納プロダクト |
項目名 |
配列の要素 |
スケール |
単位 |
レベル1B 輝度温度 |
L1B |
XXX_Brightness_ Temperature (チャンネルごと) |
スキャン数×196 または スキャン数×392 |
0.01 |
K |
レベル2 降水量 |
L2AP0 |
Geophysical Quantity Data |
スキャン数×196 |
0.1 |
mm/h |
レベル2 水蒸気量 |
L2WV0 |
Geophysical Quantity Data |
スキャン数×196 |
0.01 |
kg/m2 |
AMSR2プロダクト
物理量 |
格納プロダクト |
項目名 |
配列の要素 |
スケール |
単位 |
レベル1B 輝度温度 |
L1B |
Brightness Temperature XXX (チャンネルごと) |
スキャン数×243 または スキャン数×486 |
0.01 |
K |
レベル2 降水量 |
SGPRC |
Geophysical Data |
スキャン数×243 |
0.1 |
mm/h |
レベル2 水蒸気量 |
SGTPW |
Geophysical Data |
スキャン数×243 |
0.01 |
kg/m2 |
レベル2 全天候海上風速 |
ASW |
Geophysical Data |
スキャン数×243 |
0.01 |
m/s |
AMSR2標準プロダクトのメタ情報における物理量格納配列の次元が「1×スキャン数×243」のような3次元表記であるのに対して、本データベース収録のAMSR2プロダクトでは、上表のような2次元表記となっています。
4. その他
- 「台風データベース」という呼称について
本データセットでは、最大風速が34ノット未満の熱帯低気圧や、太平洋北西部以外の地域に存在し「ハリケーン」や「サイクロン」等の名称で呼ばれるものなど、正確には「台風」と呼ばれないものも含めた熱帯低気圧全般を対象としています。このため、便宜上「台風データベース」の名称が熱帯低気圧全般に対して用いられています。
- 熱帯低気圧の分類基準について
熱帯低気圧の正式な分類や命名は、国際気象機関(WMO)が地域ごとに定める「地域センター」によっておこなわれますが、本データベースでは、米国の合同台風警報センター(JTWC)、米国海洋大気庁ハリケーンセンター(NHC)、および中部太平洋ハリケーンセンター(CPHC)で用いられている基準に準拠しています。
- 台風情報、経路データの出典について
各センサの観測データから熱帯低気圧を検出する際の熱帯低気圧の位置情報として、下記のwebサイトで公開されている経路データを使用しました。
2011年2月まで : ハワイ大学「Tropical Storms, Worldwide」
2018年8月まで : ユニシス社「Unisys Weather Hurricane/Tropical Data」
2018年9月から : ウィスコンシン大学「
CIMSS Tropical Cyclones Page」
また、本データベースに収録されている経路図や、熱帯低気圧の分類、最大風速等の情報は、JTWC, NHC, CPHCの解析によるベストトラックデータを使用しました。
- 時刻について
本データベースでは、経路図や観測画像などにおいて、時刻に関する情報はすべて世界標準時を使用しています。
- 経路図、画像等について
本データベースで表示される図(PR3Dを除く)は、等緯度経度の正距円筒図法を使用しています。
これらの画像については、Wessel and Smith(1995)による、「The Generic Mapping Tools (GMT)」を使用して作成しました。
- 可視化ソフトウェア、およびツールキットについて
5. 注意事項
- 本ウェブサイトのデータや画像をご使用になる場合は、研究データの利用条件をご参照ください。
- JAXA/EORC台風データベースの画像データをパンフレットに掲載する等により広く配布する場合にはEORC台風データベース事務局にコンタクトして下さい。
- 台風データベースを用いて論文、レポート等を出版する場合は、謝辞として以下のような文章を明記して下さい。
日本語の場合:
「JAXA/EORC台風データベース (Ver. 1.5)は、宇宙航空研究開発機構地球観測研究センターにおいて作成されており、同センターより提供を受けました。」
英語の場合:
"'JAXA/EORC Tropical Cyclone Database (Ver. 1.5)' was produced and supplied by the Earth Observation Research and application Center, Japan Aerospace Exploration Agency."
また、EORC/TRMM事務局では関連文献の収集を行っています。台風データベースを利用した論文、レポート等などについて、別刷またはコピーを送るなどの御協力をお願い致します。
送付先は以下の通りになります。
〒305-8505
茨城県つくば市千現2-1-1
宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター
EORC台風データベース事務局
FAX: 029(868)2961
E-mail: