ーオンラインヘルプー

目次

1 公開している画像について
 1.1 全天候型海上風速とは
 1.2 画像の更新タイミング
2 画像の見方
 2.1 トップページ
 2.2 全天候型海上風速 全球画像(クリッカブルマップ)
 2.3 全天候型海上風速 詳細画像
 2.4 海上風速が算出されていない領域について

1. 公開している画像について

1.1 全天候型海上風速とは

 公開している海上風速は、標準アルゴリズムとは異なる新しいアルゴリズムで 算出されたものです。このアルゴリズムの特徴は、6GHz帯の観測データを有効に 使用することで、標準アルゴリズムでは算出できなかった台風・低気圧などの 強風域、強降雨域においても適切な海上風速が算出できることです。
 通常、観測周波数が大きくなるにつれて、雲や水蒸気、 降雨等の影響により、海面の状態が見えにくくなってしまいます。 マイクロ波放射計における海上風速の推定では、 「海上で吹いている風が海面状態(波の立ち方等)を反映している」 と考えて推定しているため、海面の状態が見えない状況は 好ましくないのが通常です。
 AMSR/AMSR-Eは、世界初の実用的な6GHz帯の観測周波数 を持つ衛星搭載用高性能マイクロ波放射計です。  新しい海上風速の推定アルゴリズムでは, 雲や水蒸気の影響を受けにくい 6GHz帯の観測データを使用することで、 台風や低気圧等の天候条件でも適切な海上風速が 算出できるようになりました。  海上風速の推定には不利な天候でも 適切な海上風速が算出できるという意味で、  このページで公開している海上風速を「全天候型海上風速」 と呼んでいます.

1.2 画像の更新タイミング

 全天候型海上風速ページで公開している画像の 更新タイミングは、観測開始から約4時間程度です。 EORCでは、地球観測センター(EOC)から配信されてくる 観測データを直ちに処理・公開しているため、 海上風速画像が、準リアルタイムでご覧頂くことができます。

2. 画像の見方

2.1 トップページ

 図1に全天候型海上風速のトップページを示します。 このページの上の段では、表示したい画像の観測日や観測センサ等 の条件をクリックすることで選択できるようになっています。 ページの下の段には、選択された条件による海上風速の全球画像が 表示されます。この画像は、クリッカブルマップになっています。 (クリッカブルマップについては、 「2.2 全天候海上風速の詳細画像(クリッカブルマップ)」を参照) また、一番最初にこのページを開いた時には、最新の観測データに 対応した画像の表示、条件が選択されています。

図1 「全天候型海上風速」トップページ

2.2 全天候海上風速 全球画像(クリッカブルマップ)

 図2に全天候型海上風速の全球画像を示します。 トップページで表示されている海上風速の全球画像は、 クリッカブルマップになっています。
 観測データがある場所であれば、好きなところをクリック することができます。クリックすると、 別ウインドウにその場所の詳細な画像を表示することができます。 (詳細画像については、「2.3 全天候型海上風速 詳細画像」を参照)

図2 全天候型海上風速 全球画像(クリッカブルマップ)
 この海上風速画像では、1つの格子点が約25kmです。 画像の中に表示されている番号は、パス番号です。 また、この画像は、クリッカブルマップになっていて、 観測データがある場所であれば、好きなところをクリック することができます。クリックすると、 別ウインドウにその場所の詳細な画像を表示することができます。

2.3 全天候型海上風速 詳細画像


 図3に全天候型海上風速の詳細画像に示します。  この詳細画像は、 全天候型海上風速の全球画像をクリックした時に 表示されます。 詳細画像では、1つの格子点が約10kmです。 画像の上の部分には、観測データに対応するセンサ、日付、時刻、 パス番号、軌道(夜・昼間観測種別)の他に、 領域内の海上風速情報が表示されます。 海上風速情報としては,「Ave.Max」、「point」が、 表示されます.「Ave.Max」は、領域内の海上風速を 大きいものから順に取り出して平均化した値です。 この平均化に使用した格子点の数が「point」です。 台風域は約100km四方(point=100程度に相当) に強風域が存在することが知られています。 従って、画像に台風がある場合は、 台風域での平均的な海上風速を示していることになります。

図3 全天候海上風速 詳細画像
 この画像は、クリッカブルマップをクリックした時に 表示されます。 詳細画像では、1つの格子点が約10kmです。
 画像の上の部分には、観測データに対応するセンサ、日付、時刻、 パス番号、軌道(夜・昼間観測種別)の他に、 海上風速情報が表示されます。

2.4 海上風速が算出されていない領域について

 図4のように、AMSRでは下降軌道、AMSR-Eでは上昇軌道で、 海上風速が算出されていない部分があります。 これは、サングリッタ(太陽光の海面での反射)が顕著にみられ、 観測データに影響があるため、 海上風速が適切に算出できない領域です。 また、図5のように、緯度に沿った不自然な模様が見られる場合があります。 これは、通信衛星からのRFI(電波干渉)であると考えられ、 適切な海上風速が算出されていない領域であることに注意して下さい。

図4 サングリッタ(太陽光の海面での反射光)の影響を受けているデータ
 AMSRでは、下降軌道、AMSR-Eでは、上昇軌道の観測データに 見られる現象です。サングリッタの部分では、 太陽光の海面での反射を観測してしまうために、 海上風速が適切に算出することができません。

図5 RFI(電波干渉)の影響を受けている観測データ
 AMSR、AMSR-E両方の観測データ に確認された現象です。 RFI(電波干渉)は、全球規模の海域で確認されています。 最近の解析結果から、低軌道周回衛星からの送信電波の海面 での反射光が原因だと考えられています。RFIの部分では、 海上風速が適切に算出できていないことに注意して下さい。



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