このアニメーションは、2002年6月から2003年5月までの1年間の、改良型高性能マイクロ波放射計(
AMSR-E)によって観測された、赤道太平洋における月平均海面水温(上段)と、その平年値(過去30年間の平均値)からの偏差(下段)です。
東部赤道太平洋(ペルー沖)では、通常は、沿岸での冷たい水の湧昇があるため、西部赤道太平洋(フィリピン沖)に比べて海面水温が非常に低くなりますが、エルニーニョ現象が起こると、通常の年よりも海面水温が数°C上昇します。
アニメーション下段の日付変更線付近からペルー沖にかけての(中・東部)赤道太平洋に注目すると、海面水温の偏差が徐々に大きくなって、11月に平年よりも2〜3°C以上高くなり、21世紀最初のエルニーニョ現象が成熟期を迎えた様子がわかります。
また、その後、この海域の海面水温がしだいに平年値に戻って、2003年3月にはエルニーニョ現象が終息したことがわかります。