グレート・バリア・リーフは私達の目を楽しませるばかりでなく、1500種の魚と250種の鳥、また絶滅の危機に瀕しているザトウクジラやアオウミガメの生息地でもあります。この海域にはプランクトンが少ないにもかかわらず多くの種類の生物が存在しうるのは、サンゴの体内に共生する褐虫藻(かっちゅうそう)がサンゴの老廃物を上手く利用して活発に光合成をし、またサンゴが出す粘液やサンゴ自身が食物となっているためです。また、サンゴ礁は褐虫藻の光合成により、熱帯雨林を上回る量の二酸化炭素を吸収する役割を果たしています(熱帯雨林が年間2〜3kg/m
2に対し、サンゴ礁は4.3kg/m
2)。しかし、この美しい楽園でも、海水温度の上昇などのストレスにより褐虫藻がサンゴから追い出されてサンゴが白くなり大量死に至る白化現象が起きているのが現実です。この海とサンゴ礁を守るためには、省エネを進めて二酸化炭素の排出量を減らすなど、地球にやさしい生活をする必要があります。