2003年4月16日
「みどりII」がとらえた台風「くじら」−AMSRとGLIによる同時観測−
これらの画像は、2003年4月12日0時半頃(世界時)に、トラック島近海を移動中の台風2号「くじら」を
AMSRと
GLIがとらえたものです。台風2号は、4月16日現在、グアム島近海にあって、非常に強く発達しています。
AMSRの画像(左)は、89GHz垂直・水平偏波、23.8GHz垂直偏波における電波の強さをカラー合成しており、黄白色の部分は強い降水域に、薄い青色から紺色への色調変化は大気中の水蒸気や雲の増加にそれぞれ対応しています。台風の発達に伴って組織化された降水域がはっきり見られます。
GLIの画像(右)は、
AMSRの画像中の赤枠内領域を拡大したもので、これを見ると、中心部分から吹き出た薄い絹雲をまとっていることが分かります。この
GLIの合成画像は、1km水平分解能の中間赤外観測波長帯のチャンネル24(1050ナノメートル)、可視光観測波長帯のチャンネル8(545ナノメートル)、チャンネル5(460ナノメートル)をそれぞれ赤、緑、青色に割り当てています。
ちなみに、台風の名前は、2000年1月からアジア名を採用しており、アジア太平洋域の各国が提出した
名前のリストから順番につけられています。台風2号の「くじら」という名称は、日本が提案した名前で、星座のくじら座に由来します。
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この画像は、2003年4月9日に
GLIが観測したアムール川流域の画像です。アムール川流域およびその南部で、3月から継続的に発生している野火からの煙(陸上の薄い灰色の部分)を捉えています。日本海にもその煙が広がっていることが分かります
この画像は、 2003年4月10日に
GLIが観測した日本海に広がっているアムール川流域およびその南部で起こっている野火から発生した煙です。4月9日の画像よりはっきりと煙の分布が分かります。
これらの画像は、分解能1kmの3つの可視光観測波長帯、チャンネル13(678ナノメートル)、チャンネル8(545ナノメートル)、チャンネル5(460ナノメートル)をそれぞれ赤、緑、青色に割り当てた、目で見た状態に最も近い合成画像です。この可視画像に、赤外チャンネル30(3.715マイクロメートル)から求めた輝度温度が330度以上のピクセルを赤に割り付け、野火が起こっていると考えられる場所を示しました。
4月15日より、
AMSRと
GLIから毎日届く「今日の一枚」(日本付近の準リアルタイム画像)をHP上で公開しはじめました。
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