2003年4月4日
アフリカ縦断軌道からの観測 〜人類発祥の地と世界最古の沙漠を訪ねて〜
上の2つの画像は、2003年2月20日に
GLIが撮影した東アフリカから南アフリカにかけての画像です。
左図は、実際に人間の目で見た状態に最も近くなるように画像処理を行ったものです。暗い緑の部分は植物の多いところです。また、明るい褐色の部分は沙漠、白色の部分は雲です。
右図は、赤外光と赤色で撮影した画像データを赤緑青に色づけしたもので、反射率が低い水面が黒っぽく見え、右上端のヴィクトリア湖がはっきり見えます。その西側に湖が連なって見えますが、ここは「大地溝帯」と呼ばれているところで、人類発祥の地といわれています。また、植物のある場所はより鮮やかな緑に見え、内陸部にある高層の氷雲は青色に見えています。
下の左図の画像は大西洋に面しているナミブ沙漠をクローズアップしたものです。画像を注意深く見ると、ほぼ南北方向に砂丘の山と谷が作る縞模様が見えます。この縞の方向は海から吹く風向きと直交しています。また、内陸部の複雑な縞模様は、風化によって堆積層の断面の構造が表れたものです。
下の右図はウガンダ国南部のクローズアップです。紫色の部分は首都カンパラ、明るい緑色の部分は畑地、緑ないし濃緑の部分は常緑広葉樹、赤色の部分は疎らに木の生えたサバンナです。ヴィクトリア湖に近いところで植物が多いことが分かります。
なお、これらの画像を作成する際に使用した波長帯は以下のとおりです。
上の左側の図では、可視光の観測波長帯である、660ナノメートル (チャンネル22) 、545ナノメートル (チャンネル21) および 460ナノメートル (チャンネル20) のデ
ータをそれぞれ、赤、緑、青に割り当て色合成をしました。
上の右側の図と下の2枚の図では赤外光から赤色光までの、1640ナノメートル (チャンネル28) 、825ナノメートル (チャンネル23) および 660ナノメートル (チャンネル22) をそれぞれ、赤、緑、青に割り当て色合成をしました。
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