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GLIが2003年3月20日に観測したニュージーランドの北島と南島です。 “南島の背骨”と言われる山脈、サザンアルプスの山頂部に雪がかぶっているのが見えます。この全長約700kmのサザンアルプスの麓にいくつかの湖が見えますが、山脈のほぼ中央のブルーに輝くプカキ湖や周辺のいくつかの蒼い水をたたえる湖は、氷河が後退してできた湖で、氷河が周りの岩を削ってできた細かい岩粉が水中に浮遊し、これに太陽光が反射して、このように“グレイシャーブルー”に輝いて見えると言われています。プカキ湖の北端には、ニュージーランド最高峰のマウントクック(標高3754m)がそびえています。氷河湖や氷河を抱えた3000m級の山が脈々と連なる美しい風景が、サザンアルプス(南半球のアルプス)と呼ばれる所以です。
また、南島の南西海岸では、ミルフォードサウンドのような氷河が後退してできた14ものフィヨルドが、海岸を約210kmにわたって複雑に縁どっています。ここでは、山脈が島の西側のタスマン海からの湿った偏西風を遮り、雨を多く降らすため、多雨に恵まれた世界でも最大規模のブナの森が広がっています。