図は、
GLI高次処理によって初めて処理した海洋圏の代表的なプロダクトの画像(2003年2月6日の北アメリカ西岸沖)です。
GLIは
(A)のような地球から衛星に到達した波長帯毎の光の強さ(輝度)を観測します。このうち、近赤外域の波長帯のデータを用いてエアロゾルの光学特性を推定します
(B)。このエアロゾルと太陽の方向などの情報を用い、海面と衛星の間にある大気の影響を取り除き、海面の色や海面に入射する光の強さ(光合成有効照度)
(C)などを正確に推定します。また、この海の色から海洋クロロフィルa濃度(葉緑素の一種)
(E)など/を求めることができます。
一方、赤外域の輝度から気象・気候変動の重要な要素である海面の水温
(F)がわかります。そして、このクロロフィルa濃度
(E)、光合成有効照度
(C)、海面の水温
(F)と海洋生物モデルにより、海洋プランクトンが光合成によって大気中の二酸化炭素を取り込み固定する単位時間単位面積あたりの炭素量(基礎生産力)
(D)を推定することができます。
これから
GLI海洋グループは、地上観測との比較などによってプロダクトの精度を検証し、それらを用いて、地球温暖化などの気候変動にかかわる大気-海洋間の物質、エネルギー循環のより正確な理解と予測に貢献していきます。
- ※ 「エアロゾルの光学特性」とは、大気中に浮遊している微粒子(エアロゾル)によって、太陽光が遮られたり、吸収されたりする割合のこと。
- ※ 「光合成の有効照度」は、太陽光のうち、光合成に利用される光の強さのこと。
関連リンク
- GLI海洋グループのプロダクトについては、
- http://suzaku.eorc.jaxa.jp/GLI/ocean/product/index_j.html
- 海洋グループの画像ギャラリーは、
- http://suzaku.eorc.jaxa.jp/GLI/ocean/gallery/index_j.html