2003年2月21日
POLDER初画像:自然光画像と偏光画像
環境観測技術衛星「みどりII」(ADEOS-II)搭載の地表反射光観測装置(POLDER)は可視から近赤外にかけた8つの波長帯の自然光と偏光の画像を取得します。この2つの画像は、2003年2月1日にイベリア半島と北アフリカを観測した自然光(左)と偏光(右)の画像です。これらの画像は、443nmを青に、670nmを緑に865nmを赤に振り分けてカラー合成した画像です。左の自然光の画像では、雲を白、海を濃い青で、地表面は植生を赤で、土壌を茶色や黄色で明確に識別することができます。右の偏光画像はこのセンサ特有のものです。全体的に青色が卓越しているのは、短い波長域で光が大気の分子により効率的に散乱されるためです。大気により散乱された光の偏光の程度は、太陽光と視線との間の角度によります。左上に見える虹色は光が水の粒によって散乱されたことによります。このことにより雲頂にあるのが氷なのか水なのかを判断することができます。またこれらの画像から、地表面による偏光の影響は非常に小さいことがわかります。このため偏光画像は微細な大気の特徴や、エアロゾルの性質を決定するのに有効な情報となります。
ヨーロッパとアフリカの連続画像
「みどりII」搭載のPOLDERが、2003年2月1日の西ヨーロッパと北アフリカ(上から下へ、左から右の順番で観測)を、異なるアングル(視角)で、可視・赤外の8つの波長帯を用いて連続的に取得した画像です。これらは、443nm(青)、670nm(緑)及び865nm(赤)の3つの波長のカラー合成画像です。雲(白)、海(青)、および植生(赤)、土壌(茶または黄)などの地表の違いを明確に区別しています。広い視野を持つPOLDERは、衛星の進行方向への動きとともに、異なる視角で地球上の同じ対象物を見ることができます。この結果、観測視角による明るさの変化を明確にとらえることができます。このユニークな能力により、地表面や大気により反射される太陽光を複数の視角で観測し、視角に依存する観測対象や大気の効果をより正確に把握できるようになり、地表面等の特徴をより精度高く決定できます。
- CNES/宇宙開発事業団 共同発表文
- http://www.cnes.fr/espace_pro/communiques/cp2003/en/2_20.html
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