AMSR/AMSR-E台風データベース Version 1.0 2004年12月
宇宙航空研究開発機構 地球観測利用推進センター
1.AMSR-/AMSR-E台風データベースの概要

1-1. はじめに

本データベースは、AMSRおよびAMSR-Eの観測のすべての期間で得られた標準プロダクトから、台風(台風、ハリケーン、サイクロン等の熱帯低気圧全般)が観測されている部分を検索し、それらの領域について、おもな標準プロダクトから切り出して収録したものです。本データベースのデータファイルのフォーマットはHDF形式で、構造はオリジナルの標準プロダクトとまったく同じです。


1-2. 収録データの概要

  • 対象期間
  • AMSR : 2003年4月〜2003年10月
    AMSR−E : 2002年6月〜
  • 収録プロダクト
  • Level1B(輝度温度変換済みデータ)
    Level2 AP0(降水量)
    Level2 WV0(水蒸気量)
  • ファイル形式
  • HDF形式(gzip圧縮)
    2. データの編集方法

    本データベースで収録されているデータファイルは、台風の位置情報を基にして、台風が観測された領域を標準プロダクトから切り出したものです。
    ここでは、標準プロダクトから台風が観測されている領域を検出し、データファイルを編集する手法について解説します。
  • 経路データの入手
  • ハワイ大学の台風情報サイト「Tropical Storms, Worldwide」より、台風の位置情報データを取得し、予報データを除いた実況データ部分のみを抽出します。
  • 対象データの決定
  • AMSRおよびAMSR-Eが北緯25度を観測した時刻を基準時刻とし、台風経路データの時刻と位置から、基準時刻における台風の位置を推定します。推定した台風位置の経度±15度の範囲にAMSRおよびAMSR-Eのパスの中心経度が存在する場合、AMSR/AMSR-Eデータを切り出しの対象とします。
  • HDFデータの編集
  • データが切り出しの対象とされた場合には、上記で推定した台風位置の緯度を中心として±ラインを切り出す範囲とします。

    このようにして求められたデータ範囲を、標準プロダクトから切り出しをおこなうことにより、本データベースにおけるHDFデータが作成されています。ファイルフォーマットはAMSR/AMSR-E標準プロダクトに準じていますが、一部異なるデータが入力されています(表参照)。

    なお、上記の編集は台風ごとにおこなわれており、複数の台風が近い位置に存在する場合には、データ範囲が重複する場合でも別ファイルとなることがあります。

    また、作成されたHDFデータのうち、雲画像などから判断して明らかに台風の検出が不適当であるものについては、データベースの対象から除外や、データ範囲の変更をおこなったものがあります。

    このようにして編集されたHDF形式のデータファイルは、gzip圧縮をおこない、データベースに収録しました。
    表  標準プロダクトフォーマットとの相違点
    コアメタ
    項目(属性)変更内容
    ShortNameAMSR/L1B:AMSL1BTY
    AMSR/L2:AMSL2TY
    AMSR-E:AMEL1BTY
    AMSR-E:AMEL2TY
    SizeMBECSDataGranule切り出しデータのサイズ(Mbyte)に変更
    ProductionDateTime切り出しデータを作成した時刻(UTC)に変更
    RangeBeginningTime切り出しデータの開始時刻(UTC)に変更
    RangeBeginningDate切り出しデータの開始日(UTC)に変更
    RangeEndingTime切り出しデータの終了時刻(UTC)に変更
    RangeEndingDate切り出しデータの終了日(UTC)に変更
    GringPointLatitude切り出しデータの有効範囲緯度に変更
    GringPointLongitude切り出しデータの有効範囲経度に変更
    NumberofScans切り出しデータの走査数(196)に変更


    データ
    項目変更内容
    Spill_Overを除く全てスキャン走査数を196に変更
    3. データの扱い方

    3-1 ファイル名・ダウンロード方法

    本データベースにおけるHDFデータのファイル名は、下記のように「衛星名」「センサ種別」「観測開始日」「パス番号」「A/D区別」「プロダクトコード」「熱帯低気圧番号」「拡張子(HDF)」により構成されています。

  • 衛星名
  • P1はEOS−PM1、A2はADEOS-2を表します。
  • センサ種別
  • AMEはAMSR-E、AMSはAMSRを表します。
  • 観測開始日
  • 切り出したデータの基になった標準プロダクトの観測開始日をUTCで示しています。
  • パス番号
  •  
  • A/D区別
  • 起動方向を示します。A(Ascending)は南->北、D(Descending)は北->南向きに衛星が移動して観測したことを表します。
  • プロダクトコード
  • P01BはLevel1Bを表します。P2AP0とP2WV0はLevel2の降水量と雲水量をそれぞれ表します。
  • 熱帯低気圧番号
  • 英字は発生地域を、数字は地域ごとに各年(南半球では7月〜6月を1区切りとする)発生した順番を表します。

    英字に対応する地域は以下のとおりです。

    W: 太平洋北西部(日付変更線以西)
    C: 太平洋北中部(日付変更線〜西経140度)
    E:太平洋北東部(西経140度以東)
    L: 大西洋北部
    A , B: インド洋北部
    S , P: インド洋南部および太平洋南部
  • 拡張子
  • HDFデータは、本データベースのホームページよりダウンロードすることができます。ダウンロードされたデータは、gzip圧縮されています。

    3-2 AMSR/AMSR-Eプロダクトについて

    各プロダクトに格納されている物理量やフォーマットに関する詳細な情報は、下記の文書を参照して下さい。

  • AMSRフォーマット説明書(1.16MB)
  • AMSR-E地球観測データ利用ハンドブック

  • (付録:AMSR-Eレベル-1フォーマット説明書/PDF形式:779KB)

    (付録:AMSR-Eレベル-2フォーマット説明書/PDF形式:69KB)

    (付録:AMSR-Eレベル-2mapフォーマット説明書/PDF形式:122KB)

    (付録:AMSR-Eレベル-3フォーマット説明書/PDF形式:217KB)


    4. その他

  • 「台風データベース」という呼称について
  • 本データセットでは、最大風速が34ノット未満の熱帯低気圧や、太平洋北西部以外の地域に存在し「ハリケーン」や「サイクロン」等の名称で呼ばれるものなど、正確には「台風」と呼ばれないものも含めた熱帯低気圧全般を対象としています。
    このため、便宜上「台風データベース」の名称が熱帯低気圧全般に対して用いられています。
  • 熱帯低気圧の分類基準について
  • 熱帯低気圧の正式な分類や命名は、国際気象機関(WMO)が地域ごとに定める「地域センター」によっておこなわれますが、本データベースでは、米国の合同台風警報センター(JTWC)、米国海洋大気庁ハリケーンセンター(NHC)、および中部太平洋ハリケーンセンター(CPHC)で用いられている基準に準拠しています。
  • 台風情報、経路データの出典について
  • AMSR/AMSR-Eの観測データから熱帯低気圧を検出する際の熱帯低気圧の位置情報として、ハワイ大学のwebサイト 「 Tropical Storms, Worldwide 」 で公開されている経路データを使用しました。
    また、本データベースに収録されている経路図や、熱帯低気圧の分類、最大風速等の情報は、JTWC, NHC, CPHCの解析によるベストトラックデータを使用しました。
  • 時刻について
  • 本データベースでは、経路図や観測画像などにおいて、時刻に関する情報はすべて世界標準時を使用しています。
  • 経路図、画像等について
  • 本データベースに収録されているAMSR/AMSR-E観測画像、経路図、および軌跡図に関しては、等緯度経度の正距円筒図法を使用しています。
    経路図および軌跡図は、Wessel and Smith(1995)による、「The Generic Mapping Tools (GMT)」を使用して作成しました。
  • TOOLについて
  • AMSR/AMSR-Eプロダクトの可視化ソフトウェアなどのTOOLに関する情報は、こちらをご覧下さい。
    5. 注意事項

    AMSR/AMSR-E台風データベースの画像データをパンフレットに掲載する等により広く配布する場合には、宇宙航空研究開発機構地球観測利用推進センターにコンタクトして下さい。
    AMSR/AMSR-E台風データベースを用いて論文、レポート等を出版する場合は、謝辞として以下のような文章を明記して下さい。

    日本語の場合

    「AMSR/AMSR-E台風データベース (Ver. 1.0)は、宇宙航空研究開発機構地球観測利用推進センターにおいて作成されており、同センターより提供を受けました。」

    英語の場合

    "'AMSR/AMSR-E Tropical Cyclones Database (Ver.1.0)' was produced and supplied by the Earth Observation Research and application Center, Japan Aerospace Exploration Agency."

    AMSR/AMSR-E台風データベースに関してコメント、疑問、質問などありましたら、宇宙航空研究開発機構地球観測利用推進センターに御連絡下さい。